親の介護をしている人は、どこかの段階で「特養(特別養護老人ホーム)」への申し込みを考えるときがきます。
特養は待機者が100人以上いるなんて言われることもあります。
そんなとき、「特養って複数の施設に申し込みできるのかな?」なんてことを考える人もいることでしょう。
そこで今回は、「特養の申し込みは複数しても良いの?それとも1つの施設だけ?」という内容でお話をしていきます。
この記事を読んでいただければ、特養への申し込みをどのように進めていけば良いかが分かります。
特養の申し込みを複数の施設にしても良いのか
結論から言えば、特養は複数の施設に申し込んでも大丈夫です。
むしろ、施設のこだわりがなくてどこでも良いから早く入所を!という方は複数の特養へ申し込みをすることは必須です。
地域によってですが、都心部では待機者100人以上なんて言われることがありますからね。
そして、いつか特養へ…と思っているのであれば、早く申し込みをしていただいた方が良いと思います。
現在の特養は、原則要介護度3以上と言われています。
しかも、要介護4以上の人の方が入りやすく、男性より女性の方が入りやすいです。
そのため、要介護3の男性は本当にいつ声がかかるか分からない…といった状況です。
先ほど、施設にこだわりがなければと私は言いましたが、特養に入る予定のご本人とご家族にとって本当に良いと思える施設に申し込みをするということは大切です。
なかなか順番来ないから、とりあえずどこでも良いから申込むというケースになりがちです。
しかし、基本的には特養は入所したら終の棲家となることがほとんどです。
本当に良いと思える特養を複数見つけて申込むようにしましょう。
待機人数100人は本当に100人いるの!?
先ほどお話したように、「待機者100名います」なんて言われることがあります。
本当に100人も待っているのでしょうか。
「100人待っているか?」と聞かれたら、答えは「待っています」となるでしょう。
しかし、今回のテーマにあるように特養は1人の人が複数の施設に申し込みができるということです。
つまり、自分が100番目としても、目の前の99人が同じ施設に入るわけではありません。
他の施設にどんどん入所していく可能性もあるということになりますね。
そういう意味では、その施設で100番目かと言われると必ずしも100番目とは言えないということです。
特養への申し込み方法
特養申し込み方法
- 希望する特養へ問い合わせて見学へ行き申込書をもらう
- 入所中の施設やケアマネに介護支援専門員意見書を記入してもらう
- 入所中の施設やかかりつけ医に健康診断所を受けてもらう
- 申込書および必要書類を提出して面接を待つ
施設によって多少の差はあるものの、基本的にはこのような流れで申し込みが進みます。
1つずつ紹介していきます。
希望する特養へ問い合わせて見学へ行き申込書をもらう
まずは希望する特養へ問い合わせて見学へ行き申込書をもらうということから始めましょう。
ほとんどの施設が、見学することを必須としていますので1度は施設に足を運ぶことになります。
見学に行くと申込書や入所中の施設やケアマネ、主治医に記入してもらう書類等をもらえます。
まずはこの見学に行き、申込書類一式を入手することから始めましょう。
いきなり自分から連絡しにくい人は、入所中の施設の相談員や居宅のケアマネに間に入っていただくようにしましょう。
入所中の施設やケアマネに介護支援専門員意見書を記入してもらう
特養に見学行った際にもらう書類に介護支援専門員意見書と呼ばれる書類があります。
これは、病気や生活の様子を記入する用紙で、入所中の人は入所先のケアマネ、自宅にいる人は居宅のケアマネに依頼して作成してもらいます。
この介護支援専門員意見書は施設が入所判定をするときの判断材料となる資料です。
入所中の施設やかかりつけ医に健康診断書を書いてもらう
介護支援専門意見書と同じように、見学に行った際にもらう書類に健康診断書があります。
健康診断書は、血液検査や心電図、感染症の有無、レントゲン、服薬中の薬、病気の様子等を記入してもらうものです。
入所中の人は入所先の先生へ、自宅にいる人はかかりつけ医に検査していただくようにしましょう。
健康診断書は、健康診断料や文書作成料がかかりますので知っておきましょう。
申込書および必要書類を提出して面接を待つ
申込書の記入が終わり、介護支援専門員意見書や健康診断書が揃いましたら申し込み先の特養へ提出しましょう。
すべての書類が揃った段階で、特養の職員が面接しにご本人に会いに来ます。
すべての書類を提出したら、特養の職員が面接にくるのを待ちましょう。
面接が終わった後は、特養が判定会議というのをします。
要するに、入所できるかどうかの会議です。
この判定会議によって、入所不可と判断される場合もあります。
この会議が無事に終われば入所となります。
特養に複数申し込みをして声がかかった施設の優先度が低い場合
声がかかったら入所しないといけないのでは?
と思うかもしれませんが、まだ入りません!とお断りしていただいて大丈夫です。
気をつけることは、断った後の順番は施設によって扱いが違うということです。
お断りした場合、申し込みは無効になると思う方もいるかもしれません。
しかし、入所するタイミングが来たらまた声をかけてくださいとなる場合もあれば、ある程度の月日だ経ってからまた声をかけてくれる場合もあります。
場合によっては、申し込みが無効になるということもあるので、申し込みの段階で施設の方としっかりと話し合っておくと良いでしょう。
まとめ:特養の申し込みは複数しても問題ない
特養の申し込みは複数の施設に同時にしていただいて大丈夫です。
特養へ申し込みをしてもすぐに入れるわけではありません。
自宅で過ごす以外では、介護老人保健施設(老健)や有料老人ホーム、サービス付き高齢者住宅などの施設で過ごしながら特養への順番を待つ…という方法をされる方が多いです。
特養へは、要介護3以上で申し込むことができますので、いつか特養へ…と思う方は申し込みをしておかれることをおすすめします。
先ほども言いましたが、入所される方にとって良いと思える施設を複数探して申込みされるようにお願い致します。
ご家族を介護している方のお役に少しでも立てたら嬉しいです。