介護職として働いている人の中には「辞めたい」という気持ちを持っている人も多くいるのではないでしょうか。
そこで今回は「介護職を辞めたいと感じる9つの理由と転職を考えるときのポイント」というテーマでお話をしていきます。
「辞めたい」と漠然と思っている人もいると思いますので、代表的な9つの「辞めたい理由」から「自分もそれ思ってた。だから辞めたいと思うんだな」ということを見つけてください。
後半では、辞めるにあたって考えていただきたいことを紹介していますので、参考にしていってくださいね。
こんな方におすすめ
- 介護職を辞めたいと思っている人
- 辞めたいとは思うけど理由が分からない人
- 辞めるタイミングや転職について知りたい人
それでは早速みていきましょう。
介護職を辞めたいと感じる9つの理由
介護職は転職や退職の多い業界ですから、あなたのように「辞めたい」と思っている人はたくさんいます。
あなたを始め、介護職として働く人が「辞めたい」と感じる理由を9つ紹介します。
辞めたい理由
- 人間関係が悪い
- 職場の理念や運営方針が合わない
- 不規則な勤務時間
- 給料が安い
- 仕事が重労働だからきつい
- 慢性的な人手不足
- 利用者からの暴力やセクハラ
- 介護職は底辺だと言われる
- 介護職としてのやりがいがなくなった
それでは1つずつみていきましょう。
【1】人間関係が悪い
介護職をしている人が辞める理由として1番多く挙げるのが「人間関係が悪い」ということです。
介護職は、職員同士はもちろん、相手にしている「利用者」も人間です。
仕事中のすべての時間で人と関わっています。
対人援助職と言われるくらいですから、人間関係は切っても切れないものとなっています。
もちろん、すべての介護の職場で人間関係が悪いということではありません。
転職を考えている人は、人間関係が良好な職場選びが大切になってきますね。
【2】職場の理念や運営方針が合わない
介護職を辞めたいと感じる理由の2つ目は「職場の理念や運営方針が合わない」ということです。
介護の職場は、色々な「施設形態」がありますよね。
特別養護老人ホームや介護老人保健施設といった「施設系」やデイサービスやデイケアといった「通所系」、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった「入居系」等があります。
このように、色々な施設形態があるために同じ介護職として働いても役割が異なってきます。
そうすると、自分がなりたい介護職の姿と施設の運営方針が合わないというズレが起こります。
今のは大きな例ですが、もちろん施設の中の細かい運営方針等でもズレは生じるので、介護職を辞めたいと感じるようになる1つの理由となります。
転職を考えている人は、求人を探すときに理念や運営方針についてもよく検討する必要があるでしょう。
【3】不規則な勤務時間
介護職を辞めたいと感じる理由の3つ目は「不規則な勤務時間」です。
正社員として施設系や入居系に働いている人は「早番」「日勤」「遅番」「準夜勤」「夜勤」等といった勤務体系でお仕事をしている人が多いのではないでしょうか。
当然のことですが、人間の体は日が昇ったら活動して、日が沈んだら休むというつくりになっています。
夜勤をしている人は、本来寝ている時間に活動しているわけですから、体に不調が出てきたりストレスが溜まったりするわけです。
夜勤は、基本的には週に1〜2回、月に4〜5回程度が好ましいですが、施設によっては夜勤だけで月8回くらいしているなんて人もいます。
その他に、日勤や早番、遅番といった時間帯での仕事も入ってくるので不規則な勤務時間で働くことになってしまいます。
不規則な勤務時間が続くと、先ほど言ったように体の不調やストレスの原因になります。
結果として「介護の仕事を辞めたいな」という思いが出てくるということです。
不規則な勤務時間が原因で転職を考えている人は、通所系のような日勤だけの場所で働くか、施設系でも日勤常勤で雇用してくれる場所もありますから、そういった施設を探すと良いでしょう。
【4】給料が安い
介護職を辞めたいと感じる理由の4つ目は「給料が安い」ということです。
介護業界は「給料が安い」なんて言われていますよね。
「今月の給料が17万円だった…」
「給料12万じゃ生活できないよ!」
といった声がSNSでも呟かれていることがあります。
でも、25万とか30万なんて給料をもらっている人も介護業界にはいます。
その違いは何だと思いますか?
実は、働いている施設によって違います。
介護施設には「介護職員処遇改善加算」というものがありますから、その加算の取得状況によって給料に差が出てきます。
給料が安いことが原因で転職を考えている人は、「介護職員処遇改善加算」について勉強してから転職活動をすることをおすすめします。
介護職員処遇改善加算については「2019年介護職員処遇改善加算の金額とは?厚生労働省の資料も紹介」という記事で紹介していますので参考にしてみてくださいね。
【5】仕事が重労働だからきつい
介護職を辞めたいと感じる理由の5つ目は「仕事が重労働だからきつい」ということです。
介護の仕事では、自分では立てない利用者を介助して立たせたり、体に負担がかかる姿勢で業務をし続けて腰痛になってしまうといったことがあります。
男性よりも女性の方が多い職場ですが、結構な重労働な仕事です。
ベッドの高さを調整したり、なるべく中腰にならないように工夫したり、ボディメカニクスを活用したりと体に負担がかからないようにすべきことも、そういった方法があることもみなさんご存知だと思います。
しかし、後ほどお話する「慢性的な人手不足」や「時間に追われてしまう」という介護の現状を考えると、体に負担をかけざるを得ないような状況があるのも確かです。
運営方針のところでもお話しましたが、色々な施設形態が存在していて、その施設によっては「ほとんど介助する必要ないから全然重労働じゃない」なんて場所もあります。
重労働できついから転職したいけど介護の仕事を続けたいという人は、あまり介助量のない施設を探すようにしましょう。
【6】慢性的な人手不足
介護職を辞めたいと感じる理由の6つ目は「慢性的な人手不足」ということです。
慢性的な人手不足というのも、実は働く場所によって異なります。
人手不足の状況としては次の2つのパターンがあります。
ポイント
- 辞めていくばかりで新しい人が入ってこなくて人手不足
- 新しい人は入ってくるけどすぐに辞めてしまうため人手不足
この2つのような施設にいる人は転職を考えても良いと思いますし、これから転職する人は、このような職場に入ってしまわないように注意が必要です。
もう1つ転職するときに気をつけるべき施設があります。
注意ポイント
人手は足りているけど、すぐに人が辞める施設
人手は不足しているわけではないから良いけども、次から次へと職員が辞めていくという施設があります。
人手不足にならない理由としては、元々多く職員を確保しているということです。
このような施設がたまにありますが、人がすぐに辞めるような施設ですから、これから転職する人は避けた方が良い場所になります。
転職活動をするときは、職員の「定着率」を意識するようにしてみてくださいね。
【7】利用者からの暴力やセクハラ
介護職を辞めたいと感じる理由の7つ目は「利用者からの暴力やセクハラ」です。
訪問ヘルパー等の在宅系サービスでは、「利用者の家族からのセクハラや暴力」が起こることもあります。
これまでの介護業界は、利用者からの暴力やセクハラには目をつむられてきたというところがあります。
介護職の人手不足が大きな問題になってきた今頃になって「問題視」されるようになりました。
しかし、まだまだ利用者からの暴力やセクハラに対して「介護職の仕事なんだから我慢しなさい」といったような施設があるようです。
何かの拍子に暴力を受けてしまうということはあるにしても、「我慢する」ことや「暴力を許す」ということは別問題です。
利用者からの暴力やセクハラで悩んでいる人は、今の施設で我慢し続けずに他の施設や介護以外の業種を検討するようにしましょう。
【8】介護職は底辺だと言われる
介護職を辞めたいと感じる理由の8つ目は「介護職は底辺だと言われる」ということです。
底辺だと言われる背景には、3Kと言われた「きつい」「汚い」「給料が安い」というイメージがあるからでしょう。
「きつい仕事」「汚い仕事」を「安い給料」でやるなんて他に何もできない底辺の人間がやる仕事と言っている人がいるということです。
そういう人は、将来介護を受けなければ良いわけですが…。
友人や知人に「介護の仕事しているよ」と言うと、「大変だね」と言われることはありませんか?
そもそも仕事は何でも大変なんですよね。
介護職だけが大変なわけではないんです。
だけれども、「介護職をしている」に対する返事は「大変だね」なんですね。
もし、あなたが介護職をしていることをバカにされたり見下されたりすることが嫌で辞めたいと思っているのであれば他の業種への転職をおすすめします。
【9】介護職としてのやりがいがなくなった
介護職を辞めたいと感じる理由の9つ目は「介護職としてのやりがいがなくなった」ということです。
介護職としてこの業界に入ったばかりの頃は「人のためになる素敵な仕事」「他人の人生に関われる大きな仕事」と目を輝かせていた人も、年数を重ねることで「やりがい」を失っていくことがあります。
理由としては、先ほどの「介護職は底辺だ」という世間の目があります。
他にも、自分が思い描いていた介護の世界とかけ離れた現状があり、「こんなはずでは…」という思いを抱えて仕事をしているうちに「やりがい」を見失ってしまったということがあります。
介護職としての「やりがい」を見失ってしまった人は、まずは「自分がどのような思いで介護職になったのか」を思い出すようにしましょう。
その上で、「思い描いた介護職になれる場所はないか」とアンテナを張り巡らせながら転職活動をすることをおすすめします。
介護職を辞めたいと感じたら転職について4つのことを考えよう
介護職を辞めたいと感じるようになったとき、転職について考えなくてはいけません。
転職するにあたり、考えていただきたいことが4つあります。
ポイント
- 今いる職場をいつ辞めるのか
- 転職活動はいつから始めるか
- 自分が辞めることで人に迷惑がかかると思わないこと
- 介護職を続けるのか他の職種を選ぶのか
今挙げた4つについてみていきましょう。
【1】今いる職場をいつ辞めるのか
介護職を辞めたいと思ったら最初に考えてほしいことは「今いる職場をいつ辞めるか」ということです。
今すぐ辞めるべきではありますが、次の仕事を決めずに辞めてしまうと無職になって生活にも困ってしまうことでしょう。
そして、職場によって「就業規則」で辞める何カ月前に退職の申し出をするかというのが決められています。
基本的には1ヶ月前で充分ですが、3ヶ月前と決めている場所もあるので就業規則で確認しておくようにしてくださいね。
【2】転職活動はいつから始めるか
介護職を辞めたいと感じて、「いつ辞めるか」を決めた後にすべきことは「転職活動はいつから始めるか」ということです。
基本的には、「退職する日」を決めた段階で転職活動を始めましょう。
転職活動をする人の多くが転職エージェント等の求人サイトを使用すると思いますが、その際にキャリアアドバイザーに「来月退職するので、その後に働く場所を見つけたい」と伝えれば良いです。
転職活動は、遅く始めるよりも早く始めた方が良いです。
「今の職場を辞めるぞ」と決断した瞬間から始めるようにしましょう。
【3】自分が辞めることで人に迷惑がかかると思わないこと
介護職を辞めたいとは思うものの「自分が辞めることで人に迷惑がかかる」と思ってしまう人もいると思います。
職場というものは、あなた1人が辞めても明日は同じように動いていきます。
そして、あなたが抜けた穴を埋めるのは職場の役目です。
あなたが何かしらの理由で辞めたいと思っているのであれば、あなたは自分の幸せを考えて行動するようにしてくださいね。
【4】介護職を続けるのか他の職種を選ぶのか
最後に考えてほしいことは「介護職を続けるのか、他の職種を選ぶのか」ということです。
今「介護職辞めたい」と思っている理由が、介護職として働く場所を変えることで解決される可能性がある問題なのか、それとも介護職自体はもう辞めたいのかということを考えましょう。
「介護しか経験したことないから、介護以外の仕事もやってみようかな」
なんて考えるのも1つの考え方ですよね。
介護業界は慢性的な人手不足ですから、介護の資格を持っているのであれば「やっぱり介護だな」って思ったときに戻ってくることができます。
よく考えて、働く場所を変えて介護の仕事を続けるのか、介護の仕事自体を辞めるのかを考えてくださいね。
介護職以外の職種に転職するメリット
介護職以外の職種に転職しようと思っている人に、2つのメリットを紹介します。
ポイント
- 給与が上がる
- 職種によっては重労働から抜け出せる
それでは1つずつみていきましょう。
【1】給与が上がる
介護職から別の職種へ転職するメリットの1つ目は「給与が上がる」ということです。
可能性の話にはなりますが、介護職は平均的に給料が低い業種であることは確かです。
転職して、その業種のキャリア1年目だとしても介護職のときより給料が上がる可能性は充分にあります。
給料のことだけを考えれば、他の業種に転職して給料を上げるというのも1つの方法です。
【2】職種によっては重労働から抜け出せる
介護職から他の業種に転職するメリットの2つ目は「職種によっては重労働から抜け出せる」というものです。
介護職は1日中体を動かしている労働ですが、そこから転職して事務職になればデスクワークが中心になるわけですね。
どちらにしても仕事である以上大変なことに変わりはありませんが、介護職のような仕事の仕方に疲れてしまった人は転職して働き方を変えるというのも1つの方法です。
介護職は、不規則な勤務時間という意味での重労働もありますから、日勤だけの仕事に変えるのも1つの選択肢ですね。
介護職以外の職種に転職するデメリット
介護職以外の職種に転職するということは、メリットだけではなくデメリットもあります。
デメリットとして次の4つを紹介します。
ポイント
- 中途採用のため未経験から転職しにくい
- 年収ダウンの可能性もある
- 年は上でもキャリアは下
- その職種が合うか分からない
それでは1つずつみていきましょう。
【1】中途採用のため未経験から転職しにくい
介護職以外の職種に転職するデメリットの1つ目は「中途採用のため未経験から転職しにくい」ということです。
介護業界もそうですけど、転職の場合は「即戦力」が求められますよね。
これから他の業種に転職するということは、その業界の1年生になるということです。
つまり、知識も経験も0から始めるということなので、採用する側が積極的に採用してくれない可能性があります。
転職エージェントを活用しながら、上手に転職活動をしていく必要がありそうです。
【2】年収ダウンの可能性もある
介護職以外の職種に転職するデメリットの2つ目は「年収ダウンの可能性もある」ということです。
どの職種に転職するかにもよりますが、やはり中途採用で未経験での転職となると年収ダウンの可能性は充分にあります。
転職先を考えるときには、「最低いくら年収がほしいのか」ということも考えて職種選びをする必要も出てきます。
その場合も、やはり未経験で自分から「年収はいくらくらい欲しいです」と相手先に伝えるのは難しいですから、転職エージェントを活用して、あなたの代わりに給与交渉してもらうのが良い方法です。
【3】年は上でもキャリアは下
介護職以外の職種に転職するデメリットの3つ目は「年は上でもキャリアは下」という状況が起こるということです。
同じ介護職として転職するのであれば、転職先では1年生だとしてもキャリアとしては先輩であることもありますよね。
しかし、介護職以外の職種に転職した場合は、年齢で年上だとしてもキャリアとしては1年生ということになります。
年下の上司や先輩がいて、こき使われてしまう…なんて可能性もあるわけです。
年下上司がいても全然構わないって人は積極的に挑戦しても良いでしょう。
【4】その職種が合うか分からない
介護職以外の職種に転職することのデメリットの4つ目は「その職種が合うか分からない」ということです。
まだ20代や30代で未婚の男性であれば良いかもしれませんが、家族もいてやっとのことで決意して転職した職種が自分に合わなかった場合、また転職活動をすることになります。
そしてまた転職して合わなければ、また転職…という可能性もあるわけです。
そういう意味では、ある程度の年齢や家庭状況によっては介護職以外の職種への転職は大きなリスクを背負っているということになります。
まとめ
今回は「介護職を辞めたいと感じる9つの理由と転職を考えるときのポイント」というテーマでお話をしてきました。
最後にまとめておきますね。
まとめ
介護職が辞めたいと思う9つの理由
- 人間関係が悪い
- 職場の理念や運営方針が合わない
- 不規則な勤務時間
- 給料が安い
- 仕事が重労働だからきつい
- 慢性的な人手不足
- 利用者からの暴力やセクハラ
- 介護職は底辺だと言われる
- 介護職としてのやりがいがなくなった
介護職を辞めたいと感じたら転職について4つのことを考えよう
- 中途採用のため未経験から転職しにくい
- 年収ダウンの可能性もある
- 年は上でもキャリアは下
- その職種が合うか分からない
介護職以外の職種に転職するメリット
- 給与が上がる
- 職種によっては重労働から抜け出せる
介護職以外の職種に転職するデメリット
- 今いる職場をいつ辞めるのか
- 転職活動はいつから始めるか
- 自分が辞めることで人に迷惑がかかると思わないこと
- 介護職を続けるのか他の職種を選ぶのか
これまでずっと介護職として働いてきた人は、他の業種に転職するというのはデメリットも多いし、リスクも大きいです。
それでも挑戦してみようという人は、失敗しないように転職エージェントを上手に活用してくださいね。
今の職場は辞めたいけど介護職を続けていきたいという人は、「介護職の求人サイトのランキング|あなたに合った職場がここにある」で求人紹介サイトをまとめています。
大切なことは、あなたに合った職場を見つけることです。
自分で探すと情報収集が充分にできませんから、転職活動は失敗します。
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