これから「介護職を目指そうと思っている人」も、「『介護の仕事してみようかな…』という人」も、介護職の本当の大変さを知らずにいると、痛い目にあいますよ。
「介護職って大変だよねー」
「介護って大変なお仕事だよねー」
なんて言われるときの「大変」というのは、
「人のお世話なんて出来ないよね」
「他人のトイレのお世話とは、お風呂の手伝いとかすごいよね」
こういった類の話です。
これから介護の仕事をしようと思っている人も、
「トイレの介助とか出来るかな…」
「おむつ交換できるかな…」
といった心配はあることでしょう。
でも、これだけは言わせてください。
介護職の本当の大変さはもっと違うところにあります。
そこで今回は、「介護職が本当に大変なこと」について紹介していきます。
こんな方におすすめ
- これから介護の仕事をしようと思っている人
- 今回紹介しているような「大変な施設」で働いている人
介護職の大変なこと【1】:人間関係が悪い
介護職として働く上でもっとも大変といっても良いことが「人間関係が悪い」ということですね。
対人援助の仕事であるにも関わらず、職員同士の人間関係が悪くて連携が取れないなんてことはよくある話です。
介護職をしている人が退職や転職する理由として多いのが「人間関係」です。
ここでは、介護職の人間関係について次の2つのことを話していきます。
ポイント
- 人間関係が悪い職場の特徴
- 良い人間関係の職場を見つける方法
人間関係が悪い職場の特徴とは
人間関係が悪いのは、ほとんどの場合や上司や先輩が関係しています。
人間関係の悪さとしては、具体的に次のような例があります。
ポイント
- 無視する
- 事故などの責任を負わされる
- 仕事を次から次へとやらされる
- 言ってもないことを言ったことにされる
- 陰口を言われる
ここで挙げたのは一例ですので、もっと嫌な想いをしている人もたくさんいます。
対人援助職として人に寄り添うべき介護職が、同じ職場で働く仲間に優しくできないのですから困ったものです。
こういった劣悪な人間関係に巻き込まれてしまうと仕事が大変になってしまいます。
では、良い人間関係が築かれている職場を見つけるにはどうすれば良いでしょうか。
良い人間関係の職場を見つける方法
良い人間関係の職場を見つける方法は、求人情報をよくチェックしておくことです。
ハローワークでも良いですし、折り込みチラシでも良いです。
今はPCやスマホの時代ですから、かいご畑のような転職エージェントの求人をチェックしても良いです。
とにかく、求人情報をよく見ることです。
そして、一番見てほしい情報は1つだけです。
その施設の求人が出ている「頻度」です。
しょっちゅう募集している施設は、「職員の定着率が悪い施設」です。
ということは、人間関係や、これから紹介するような「介護職が大変と感じる問題点」を抱えている施設ということがいえます。
逆にいえば、滅多に見ない施設の求人がポツッと出て来たらチャンスです。
良い施設である可能性があります。
このように、求人が出る頻度で良い施設かどうかを見極めるようにしましょう。
介護職の大変なこと【2】:給料が安い
介護職が大変なことの2つ目に紹介するのは給料が安いということです。
これは世間のイメージ通りかもしれないですが、介護職の全員が安い給料だと思いますか?
実は、他職種の平均的な給料をもらっている人もいるんです。
給料が安い施設で働く人が口を揃えていうのは、「労働に見合うだけの給料をもらっていない」ということです。
ここでは、次の2つのことについてお話をしていきます。
ポイント
- 給料が安い職場の特徴とは
- 給料の良い職場を見つける方法
給料が安い職場の特徴とは
介護の仕事に関しては、「給料は良いけど大変!」ということももちろんありますが、「給料安いのに大変!!」ということの方が多いです。
給料が安い職場には、次の2つのような特徴があります。
ポイント
- 企業系が多い
- 介護職員処遇改善加算の向上をしていない
まず、株式会社等の企業系が母体となっているところは給料が安い傾向があります。
東京で働いている人で「30歳で手取り13万円だよ」なんて人もいました。
企業系は、利益を追求した運営をすることがあるので「安月給なのに仕事内容大変!人も足りないし、もう無理」なんて状況になっていることも多いです。
介護の現場に限っては、「給料が安いけど仕事は楽だから…」といったことは期待しないようにしましょう。
介護職員の給料には、「介護職員処遇改善加算」というものが存在します。
そして、介護職員処遇改善加算は(Ⅰ)〜(Ⅴ)に分かれています。
介護職員処遇改善加算(Ⅰ)を取得している施設ほど給料は良くなります。
給料が安い施設の特徴としては、介護職員処遇改善加算の(Ⅰ)や(Ⅱ)といった給与が改善される加算を取得していないことも特徴です。
給料の良い職場を見つける方法
今までのお話で分かった人もいるかもしれませんが、給料が良い職場を見つける方法は次の2つの項目を満たしていることです。
ポイント
- 社会福祉法人や医療法人財団が運営している
- 介護職員処遇改善加算(Ⅰ)を取得している
この2つに当てはまる施設があれば就職先として優先的に検討して良いでしょう。
企業系が母体になっている施設でも、高収入を望めるところもありますが、仕事がとにかく大変と言われています。
高い給料が支払えるほど利益追求していますから…。
社会福祉法人や医療法人財団は、赤字にはできませんが利益追求を第一の目的としていません。
そのため、給料が良いからといって仕事がすごく大変だということにはなりません。
もちろん、仕事である以上それなりに大変ではありますが…。
ということで、給料が良い職場を探すためには「社会福祉法人や医療法人財団が運営」していて、「介護職員処遇改善加算(Ⅰ)を取得」している施設を探すと良いでしょう。
介護職の大変なこと【3】:利用者からの暴力やセクハラ
介護職が大変なことの3つ目は、利用者からの暴力やセクハラです。
認知症に罹患している人は、善悪が判断できなくなっている場合があり暴力を振るってしまったり、セクハラをしてしまったりすることがあります。
しかし、本当に厄介なのは「こっちはお客様だぞ。高齢者だぞ」という立場を利用した認知症のない人の暴力やセクハラが存在していることです。
暴力とセクハラについては、次の2つについて話をしていきます。
ポイント
- 利用者からの暴力やセクハラの種類
- 暴力やセクハラのない職場を見つける方法
利用者からの暴力やセクハラとは
利用者からの暴力やセクハラとして、次のような内容があります。
ポイント
- 殴る、蹴る
- 髪の毛を引っ張る
- 噛む
- 胸やお尻を触る
- 「一緒にお風呂に入ろう」などと誘う
- 卑猥な言動をする
認知症と診断がある人は、自制が効かずにこのような言動に及んでしまうことがあります。
しかし、だからといって「病気だから仕方ない」と何も対応をしない施設があります。
最も厄介なのは、認知症ではない人が意図的に暴力やセクハラをしてくるケースです。
ただし、今回お伝えしたい最大の問題はこの後にあります。
それは…
「職員が相談しても上司が対応しない」ということです。
該当する利用者に注意する、退所してもらう等の対応をしてくれれば職員も少しは救われるのでしょうが、まったく何もしない施設があります。
そういった施設に入職してしまうと、本当に大変な将来が待っています。
では、そのような施設を見極める方法はあるのでしょうか。
利用者からの暴力やセクハラがない職場を見つけるには?
利用者からの暴力やセクハラがない職場を見つける方法は、今のところハッキリとした方法はありません。
できるとすれば、採用担当者に直接聞くという方法です。
そのとき「この施設では、利用者からの暴力やセクハラはありますか?」といった内容で聞いてはいけません。
「ないですよ」と言われて終わってしまうからです。
聞き方としては、「利用者から暴力やセクハラを受けたとき、施設としてはどのように対応することになっていますか?」という内容を聞くようにしましょう。
そのとき、担当者が施設での対応について真摯に答えてくれれば、就職先として検討しても良いでしょう。
ごまかそうとしたり、あやふやな返事をしたりした場合は働かない方が懸命でしょう。
もし自分で聞きにくければ、かいご畑のような転職エージェントを介して聞いてもらうというのも1つの方法です。
転職エージェントの良いところは、このように自分では直接聞きにくいことも聞いてもらうことができますね。
今のところ、利用者からの暴力やセクハラがない施設を見分けることは難しいです。
しかし、暴力やセクハラを受けたときの施設の対応を確認することで安心して就職することができるのではないでしょうか。
まとめ:介護職は職場選びを間違えると大変なことばかりになる
今回は、これから介護職として働こうと思っている人のために、「介護職が本当に大変なこと|あなたが知らない退職者続出の本質の部分」ということでお話をしてきました。
最後にまとめておきましょう。
まとめ
- 人間関係が悪い職場の特徴は、職員の定着率が悪いので求人がよく出ている
- 人間関係が良い職場を見つけるためには、転職エージェントを利用して職員の定着率が良い職場を紹介してもらう
- 給料が安い職場の特徴は、企業が参入している施設や介護職員処遇改善加算の(Ⅰ)や(Ⅱ)を取得していない施設
- 給料が良い職場を見つける方法は、介護処遇改善加算(Ⅰ)や(Ⅱ)を取得している施設を探すか、転職エージェントを利用して紹介してもらう
- 利用者からの暴力には、殴る、蹴る、髪の毛を引っ張る、噛むなどがある。
- 利用者からのセクハラには、胸やお尻を触る、卑猥な言葉を言うなどがある。
- 利用者からの暴力やセクハラよりも問題なのは、それに対して対処しない施設があること
- 利用者からの暴力やセクハラがない施設はないと考えましょう。
- 大事なことは、暴力等があった場合に施設がどのように対応してくれるのかということ
介護職は「排泄」や「入浴」といった身体的なケアの大変さよりも、職員に心的負担がかかるという大変さが勝っています。
そのすべてが、職場選びで決まってしまうといっても良いでしょう。
良い人間関係で働いている人もいます。
良い給料の介護職もいます。
良い環境で働いている介護職もいます。
もちろん、世の中がイメージするような「大変な介護職」もたくさんいます。
では、その違いは何でしょうか。
それは、職場選びです。
介護職として大変かどうかは、職場選びの段階で決まっていると言っても良いでしょう。
あなたは、大変なことが山積みで心が疲れていく介護職と、身体的には大変だけどやりがい溢れる介護職と、どちらの介護職になりたいですか?