こんな悩みありませんか?
毎日イライラしてしょうがない。
ご利用者に当たってしまう。
イライラしすぎて仕事にならないし、家族や恋人ともうまくいかない。
このイライラをどうにかしたい。
介護職は、とてもストレスが溜まりやすいお仕事です。
毎日頑張っているあなたも、上記のように「イライラしてしまう」という悩みを持っていることでしょう。
イライラしすぎると、時に自分を責めてしまって「自己嫌悪」に陥ってしまうこともあります。
なるべくイライラしないで過ごすためには、怒りをコントロールすること、「アンガーマネジメント」が大切になります。
そこでこの記事では、あなたがなるべくイライラして過ごさなくて済むように「介護職がイライラして自己嫌悪にならないためのアンガーマネジメント」というテーマでお話をしていきます。
参考にしてみてくださいね。
それでは早速みていきましょう。
アンガーマネジメントってなに?
アンガーマネジメントとは、イライラという感情と上手に付き合っていくための方法です。
「イライラとは?」「イライラにはどうやって対処したら良いの?」ということを知ることで対処できるようになりましょうというものです。
アンガーマネジメントを身につけると、「イライラしなくなる」ということではなく「イライラしても上手に対処できるようになる」ということです。
たとえば、介護職として働いていてご利用者にイライラしてしまうこともありますよね。
ご利用者にイライラしてしまったときに上手にイライラをコントロールできないと、暴言や暴力に繋がってしまうことも考えられます。
また、自分の中に溜まっていくイライラを上手に対処できないと、いつかあなた自身が潰れてしまうことになります。
アンガーマネジメントを身につけることができれば、あなたのイライラという感情を上手に操れるようになり、職場や家族、大切な人との人間関係をより良いものにすることができますよ。
イライラはあなたを守る大切な感情
人には「喜怒哀楽」と呼ばれる4つの感情が存在していて、イライラするというのは「怒り」に該当します。
怒りという感情は扱いが難しくて、喜びや楽しみといった感情に比べるとネガティブに捉えられがちです。
あなたにも「イライラしてばかりいる私は悪い人。未熟な人。まだまだ子ども。」なんて想いがありませんか?
また、「イライラする感情は抑え込めるのが出来た大人」なんて思っていませんか?
怒りは人間が持つ自然な感情ですから、その自然な感情を否定しないようにしましょう。
そして、イライラしないことよりも「なぜイライラしているのか」と自分の感情に耳を傾かせてあげることの方がずっと大切です。
イライラは、自分の身を守るための大切な感情と言われています。
イライラすることで、無意識に自分が傷つかないように守ろうとしているからです。
イライラするという怒りの感情は、「二次的感情」と呼ばれています。
つまり、何もなくいきなりイライラすることはないということです。
イライラは二次的感情ですから、当然「一次的感情」が存在するわけです。
一次的な感情とは、「不安」「疲れた」「つらい」「悲しい」などといった感情です。
よくあるたとえ話に、コップに入った水の話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。
コップはあなたの心です。
そこに、「不安」や「疲れた」といった水が注がれていきます。
「不安」や「疲れた」という水がどんどん注がれていくと、やがてコップからこぼれてしまいます。
このコップから水がこぼれた状態が、あなたの「怒り」が生まれた状態です。
要するに「限界」ということです。
イライラするということは、あなたの体がSOSを出しているということです。
「なぜイライラしているのか」ということを考えて対処することで、コップの水を減らして心に余裕を持つことが大切になります。
イライラの4つの性質
イライラするという「怒りの感情」は決して悪いものではありません。
しかし、扱いが難しい厄介な感情であることは確かです。
イライラという感情が持つ性質について知ることで、適切に対処できるようにしていきましょう。
ここでは、イライラの4つの性質について紹介していきます。
ポイント
- 身近な人へ向きやすい
- 強者から弱者へ向きやすい
- 人に伝染していく
- プラスの力になる
それではみていきましょう。
【1】身近な人へ向きやすい
イライラが持つ性質の1つ目は、「身近な人へ向きやすい」ということです。
他人であれば気にならないことでも、家族だとイライラしてしまうなんてこともありますよね。
介護の現場で例えると、入所して間もないご利用者よりお付き合いが長くなってきたご利用者に対してイライラしやすいなんてことがあるのではないでしょうか。
これは、一緒に過ごす時間が長くなったために、あなたとご利用者が「身近な存在」になったためです。
言葉遣いも、最初は敬語だけだったものが敬語とタメ語を併用するようになり、ついにはタメ語だけになるなんてこともあるのではないでしょうか。
これは間違いなく、あなたがご利用者を身近に感じている証拠です。
イライラという感情が身近な人に向きやすいという性質を理解しておくと同時に、ご利用者との距離を適度に保つことが大切だというこも知っておくようにしましょう。
【2】強者から弱者へ向きやすい
イライラが持つ性質の2つ目は、「強者から弱者へ向きやすい」ということです。
組織の中で言えば、上司から部下へ怒りの感情が向きやすいということです。
介護の現場で例えるなら、上司から部下はもちろんのこと、職員からご利用者も強者から弱者ということができます。
上司からの理不尽な圧力があなたをイライラさせ、そのイライラを上司へ返せずに後輩やご利用者という弱者へ向けてしまうというのがイライラが持つ怖い性質です。
【3】人に伝染していく
イライラが持つ性質の3つ目は、「人に伝染していく」ということです。
「今日Aさん機嫌悪いよね」というように、職場の1人の機嫌が悪いとまわりの人が気がつきますよね。
そして、「ムードメーカー」なんて言葉があるように人の感情はまわりの人たちに影響を与えます。
イライラしている人がいるとまわりの人も気を使いますから、それがその人のストレスになり、そしてまた別の人がイライラする…といったように伝染していきます。
怒りのようなネガティブな感情は、嬉しいや楽しいといったポジティブな感情よりも伝染しやすいと言われています。
イライラの感情は人に伝染しやすい性質を持っていることを知っておきましょう。
【4】プラスの力になる
イライラが持つ性質の4つ目は「プラスの力になる」ということです。
上司に怒られて「何くそ次はうまくやってやる」とか、勝負に負けて「次は勝ってやる」という感情を持ったことがあるのではないでしょうか。
これは、イライラがプラスの力として働いた証拠です。
先に紹介した3つのイライラが持つ性質はマイナスな印象を持ったかもしれませんが、何も悪い性質だけがあるわけではありません。
ここで紹介したように、イライラという感情はあなたがもっと良くなるための原動力にもなってくれることを知っておきましょう。
気をつけたいイライラの4つのタイプ
繰り返しになりますが、イライラするという感情は決して悪いものではありません。
しかし、扱いが厄介であることは確かです。
イライラとの付き合い方が上手に出来なくなると、時として自分や相手を傷つけてしまうことがあります。
ここでは、気をつけてほしいイライラの4つのタイプを紹介していきます。
ポイント
- 強いイライラ
- 頻繁なイライラ
- 持続的なイライラ
- 攻撃的なイライラ
この4つのタイプは、どれか1つに当てはまるという人もいれば、複数当てはまることもあると思います。
自分がどのタイプかを知っておくこともとても大切です。
それではみていきましょう。
【1】強いイライラ
気をつけたいイライラのタイプの1つ目は「強いイライラ」です。
いつもイライラしているというわけではありませんが、1度怒ったら爆発したように誰にも止められなくなるタイプです。
このようなタイプは、他人からの信頼が薄くなります。
たとえば、あなたの上司が強いイライラを示すようなタイプであった場合、何か相談があっても話しかけにくくなりますよね。
何かミスをしてしまったとき、本来であれば報告や相談をしたいので爆発したように怒りだすことを想像したら報告せず隠してしまいたいと思うのも当然です。
このように、強いイライラを示すタイプは職場の風通しを悪くしてしまうので注意が必要です。
【2】頻繁なイライラ
気をつけてほしいイライラのタイプの2つ目は、「頻繁なイライラ」です。
このタイプは、いつもイライラしていて何かしら愚痴を言っているような人です。
常にイライラしている人がいると、職場の雰囲気は完全に悪くなります。
先ほどのイライラの性質で、イライラは伝染しやすいということを紹介しましたが、常にイライラしている人が職場にいると、そのイライラは伝染していくので雰囲気が悪い職場ができ上がっていくということです。
頻繁にイライラする人は、「今の怒るところ?」と思うようなところでもイライラしています。
このように、イライラの頻度が高い人は場の雰囲気を壊してしまうので注意が必要です。
【3】持続的なイライラ
気をつけてほしいイライラのタイプの3つ目は「持続的なイライラ」です。
これは、俗にいう「根に持つタイプ」を想像してください。
イライラし続けている場合もあれば、一度は落ち着くけれど思い出すとまたイライラしてしまうというのが「持続的なイライラ」に該当します。
持続的なイライラにとらわれてしまうと、過去のことを引きずったり未来のことでイライラしたりするので、イライラした出来事に振り回されてしまいます。
持続的なイライラは、あなたが前に進めないだけなので今の時間を大切にするようにしましょう。
【4】攻撃的なイライラ
気をつけてほしいイライラのタイプの4つ目は「攻撃的なイライラ」です。
攻撃的なイライラに該当する人は、かなり危険な状態といえます。
攻撃は、他人だけではなくて自分に向いてしまうこともあります。
他人に向いてしまった例が「虐待」です。
自分に向いてしまう人は、自分を責める「自責」や「自己嫌悪」に陥りやすいです。
結果として、自傷行為をしてしまうこともあります。
「物に当たる」という人がいると思いますが、物に当たる人はこの「攻撃的イライラ」に該当しています。
攻撃的なイライラは他人や自分に向けて怒りを発散してしまうタイプなので、かなり注意が必要です。
イライラへの3つの対処法
ここからは、実際にイライラするという感情に対してどのように対処していけば良いか、イライラの対処法についてお話をしていきます。
この記事では、3つのイライラ対処法を紹介していきますので参考にしてみてくださいね。
ポイント
- 反射的に行動しないようにする
- イライラを引きずらないようにする
- イライラに対処する方法を増やす
あなたが人である以上、イライラするのは当然のことですし、決して悪いことではありません。
しかし、上手に対処していかないと嫌な想いをするのはあなたです。
先ほど紹介した3つの対処法について、1つずつみていきましょう。
【1】反射的に行動しないようにしよう
イライラの対処法の1つ目は「反射的に行動しないようにする」ということです。
「つい言い過ぎてしまった」「何であんな行動をしてしまったんだろうか」と後悔したことはありませんか?
あなたがこのように思ってしまうのは、イライラに対して反射的に行動をしてしまったからです。
イライラしたときに反射的に行動してしまうことは、後で後悔する結果となるので気をつけましょう。
では、反射的に行動しないためにはどのようにすれば良いかを紹介します。
反射的に行動しないためには、可能であればまずはその場から離れるという行動をとりましょう。
イライラして冷静に対処できない状態でその場にいるのは大変危険です。
その場から離れられないようなやむを得ない状況もあるかもしれませんが、まずはその場から離れるようにしましょう。
次に、大きく深呼吸をしましょう。
イライラしているときやストレスを感じているときは、自然と呼吸が浅くなり緊張が高まると言われています。
大きく深呼吸をすることで体がリラックスできるのでイライラした気持ちを抑えることができます。
深呼吸は、いつでも、どこでも、誰でも出来るのでおすすめです。
イライラしてしまったら、まずはその場から離れて大きく深呼吸してみてくださいね。
【2】イライラを引きずらないようにしよう
イライラの対処法の2つ目は「イライラを引きずらないようにする」ということです。
イライラした気持ちを引きずっていると、仕事に集中できなかったり、人間関係にもマイナスな影響が出ます。
場合によっては体調を崩すこともありますから、イライラした気持ちは引きずらないようにしましょう。
具体的な方法としては、「イライラを吐き出す」「気分転換をする」という方法があります。
イライラした気持ちは、自分の中に溜め込むと爆発して心を病んでしまうこともありますから、溜め込まずに吐き出すことが大切です。
吐き出す方法としては、人に言ったり紙に書いたりする方法もあります。
SNSに愚痴をこぼす人も多く見かけますが、SNSは読者から批判のツイートがきて逆にストレスになる場合もあるので活用する場合は注意が必要です。
真っ白な紙に書けるだけ書き出してみるという方法も結構すっきりしますよ。
また、職場から真っ直ぐ帰宅するのではなく、時々気分転換に寄り道をしてみるのも良いでしょう。
買い物や映画鑑賞、海や川、公園でのんびり過ごしてみるなんていう方法も有効です。
いつもと違うことをして非日常を味わうのもイライラを引きずらない方法として活用してみてください。
このように、イライラを吐き出したり気分転換をしたりして溜め込まないようにしましょう。
【3】イライラに対処する方法を増やそう
イライラの対処法の3つ目は「イライラに対処する方法を増やす」ということです。
イライラしたときに対処する方法は、何も1つだけあれば良いということではありません。
なぜなら、その方法で必ずイライラが解消されるとは限らないからです。
イライラした原因、その日のあなたの体調、イライラの種類によっても対処法を変えてみることが大切です。
たとえば、気分転換する方法をいくつか用意しておくとか、いつもの生活パターンを崩してみるとか、新しいことに挑戦してみるのも良いでしょう。
イライラの解消法を1つだけ用意していて、その方法で解消できなかった場合はまたストレスが溜まってしまいます。
イライラと上手に付き合っていくためには対処法をたくさん持っているようにしましょう。
おわりに:イライラと上手に付き合っていきましょう
今回は「介護職がイライラして自己嫌悪にならないためのアンガーマネジメント」というテーマでお話をしてきました。
このお話を一言で言ってしまえば、「イライラするのは人として当然なので、上手に付き合っていきましょう」ということです。
あなたなりのイライラとの付き合い方を見つけて、あなたが楽しい毎日を過ごせるようになってくださいね。
最後に今回紹介した内容をまとめておきます。
まとめ
アンガーマネジメントとは
- アンガーマネジメントとは、イライラという感情と上手に付き合っていくための方法
イライラはあなたを守る大切な感情
- イライラすることで、無意識に自分が傷つかないように守ろうとしている
イライラには4つの性質がある
- 家族や友人、長く関わっているご利用者などの身近な人へ向きやすい
- 上司から部下、職員からご利用者などと強者から弱者へ向きやすい
- 機嫌が悪い人が1人いると場の空気が悪くなるように人に伝染していく
- 「次こそは頑張るぞ!」とプラスの力になる
気をつけたいイライラの4つのタイプとは
- 怒りだすと誰にも止められない強いイライラ
- ちょっとしたことですぐに怒る頻繁なイライラ
- 根に持つタイプにありがちな持続的なイライラ
- 他人や自分、物に当たってしまう攻撃的なイライラ
イライラへの3つの対処法
- その場から離れたり深呼吸をして反射的に行動しないようにする
- 気分転換をしてイライラを引きずらないようにする
- どんなイライラにも対処できるように発散方法をたくさん持っておく
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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