これから介護職を目指そうと思っている人も、現在介護職をしている人も、
「介護職に将来性はあるのだろうか…」
と不安に思っているかもしれませんね。
「介護職に将来性はない」なんて言葉が出回っていますし、「介護職の給与は安い」という言葉もよく聞きますよね。
そういったことから、「介護職では将来生活していけないのではないか…」と不安に思って当然だと思います。
ということで今回は、介護職の将来性について、「職業としてのニーズ」と「給与面」の2面から考えていきます。
こんな方におすすめ
- これから介護職として働こうと思っている人
- すでに介護職として働いていてこのまま続けていいか悩んでいる人
それでは早速みていきましょう。
介護職の将来性【1】:職業ニーズはまだまだ増える
介護職の将来性について、まずは職業としてのニーズから考えていきましょう。
結論から言ってしまえば、介護職のニーズはあと50年以上は需要があるといえます。
その根拠について少し話していきましょう。
次の図を見てください。
この図は、内閣府が出している「高齢化の推移と将来推計」というものです。
赤い折れ線グラフが「高齢化率」です。
内閣府が出している統計データによれば、高齢者人口はまだまだ増加していきます。
高齢者人口の増加のピークを迎えるのは2042年と予測されていますが、これはあくまでもピークの話です。
介護職のニーズがなくなるというわけではありません。
さらに、現在は「少子高齢化」ですので、総人口は減っているけれども高齢者は増えているという状況です。
つまり、「高齢化率」は今後も上昇していきます。
2036年には、3人に1人が高齢者であろうと推測されています。
その後も高齢化率は上昇するとされていて、2065年には約2.6人に1人が65歳以上の高齢者になっているといいます。
さらに、高齢化率も上昇していて、2065年には1人の高齢者を1.3人が支えるという状態が起こります。
日本は、年々人口が減っていくとされていますから、高齢者は多いのに、それを支える人が足りていない状況が起こります。
介護職においても、「高齢者の数に対して働き手が足りない!」という状況が、少なくとも2065年までは続くことが予測できます。
つまり、介護職という職業としてのニーズはこれからまだまだ多くなっていくと考えておいた方が良いでしょう。
介護職の将来性【2】:給与は年々上がってきている
次に、あなたが介護職として働いていく上で、「介護職って給与的にも一生続けても大丈夫な職業なのだろうか?」という疑問についてお話をしていきます。
平成30年度の1ヶ月の平均給与は賞与込みで300,970円となっています。
この金額は、手取額ではなく総支給額ですので、実際に振り込まれるのは220,000円くらいでしょうか。
やはりまだまだ安月給と言わざるを得ませんが、決してまったく生活できない額ではありません。
しかし、結婚するとなると夫婦共働きの必要性はあるでしょう。
今、介護職の給与の見直しが進んでいて、今後も給与面が改善していく可能性があります。
参考までに、平成25年と比較してしましょう。

平成25年度介護従事者処遇状況等調査の概要-厚生労働省
平成25年では、管理職以外の一般職員の給与は賞与込みで270,140円でした。
平成30年が300,970円であったことを考えると、約30,000円の増加となります。
「5年で30,000円は少ないよ!」と思うかもしれませんが、介護職員の処遇改善の見直しは、平成25年当時より今の方が取り組まれています。
それを考えれば、人材確保のために今後もっと改善されていくことが予想されます。
このまま黙っていても、高齢化率が上昇していき人手不足が加速するのは目に見えているので、国としてもなんとしても人材を確保したいことでしょう。
ただし、現在ではAIなどのロボットの研究も進んでいますので、あと50年の間にどこまで進化するか…というのは1つのポイントかもしれませんね。
それでも、介護が人間を相手にしている職業である以上、すべてロボットで対応するということは起こりえないと考えます。
人のすべてが解明されていない以上は…。
つまり、介護職は人材確保や現在の処遇改善の流れからみても、給与面でもまだまだ将来性がある職業ということができそうです。
介護職の将来性【3】:働く施設ですべてが決まる
給与面でも将来性は安心できそうと言ってはみましたが、「介護職は安月給」というイメージはまだまだあります。
それでも、実は毎月400,000円とか500,000円もらっている人や、冬の賞与が700,000円だったなんて人も実際にいるわけです。
そうかと思えば、「毎月の給料が手取りで120,000円」なんて人もいるのが現実です。
その違いは何でしょうか。
実は、働く場所です。
俗にいう「安月給」の介護職は、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅といった「企業」が参入している施設で働いている人が多いです。
注意ポイント
- 人がいない
- 給料が安い
- 上司が何もしてくれない
- 利用者からの暴力やセクハラが野放し
こういった施設は、企業系が多いです。
あなたがこれから介護職をしようと思っているのであれば、社会福祉法人や医療法人財団が運営している施設から探していくことをおすすめします。
それでも、自分で探すのは大変です。
自分で探すときのポイントは、ハローワークや折り込みチラシは避けることです。
なぜなら、一見すると良い施設に見えてしまうからです。
実際の中身は、アピールされているような素晴らしい部分がなく、劣悪な環境であったりします。
職探しに時間が持てる人は、ハローワークや折り込みチラシで探しても良いですが、ポイントが1つあります。
注意ポイント
いつも出ている施設に応募しないこと
いつも出ている施設、一度出なくなったけどまた出ている施設は「人が定着していない」ということが分かります。
つまり、働く環境が悪い施設であることが予想できます。
では、どのように探すのがベストなのでしょうか。
それは、介護職が転職する際に使用することが多い転職エージェントの利用です。
転職エージェントとは、【かいご畑】のような転職を仲介してくれる企業をいいます。
転職エージェントは、あなたを施設に紹介することで施設から紹介料を受け取り運営されています。
ただし、あなたが半年やそれ以上働くことができて初めて紹介料が発生します。
もし転職エージェントが、環境が悪い施設にあなたを紹介したらどうなりますか?
あなたは半年経たずに辞めることになり、転職エージェントは紹介料を貰えませんよね。
つまり、あなたを適当な施設に紹介してしまうことは、転職エージェントにとってはデメリットでしかありません。
転職エージェントを利用することは、あなたが良い環境で働くために必要な行動といっても過言ではありません。
環境が良く高収入の施設で働きたいのであれば、転職エージェントを活用しましょう。
介護専門求人サイトかいご畑

介護職の将来性【4】:AIや健康寿命の長期化によりニーズが減る可能性も
先ほど少し触れましたが、AIの進歩や健康寿命の長期化により介護職のニーズが減る可能性は0ではありません。
しかし、人間相手の仕事である以上、需要はあり続けることでしょう。
現在は、65歳以上が高齢者、75歳以上が後期高齢者とされています。
あと50年後には、75歳から高齢者なんて時代があるかもしれませんし、認知症が治せるようになったり、失った機能を取り戻したりできるようになっているかもしれません。
そういった、ノーベル賞的な進歩が人間に起きた場合は、介護職の需要は突然下降するかもしれませんね。
まとめ:介護職の将来性はまだまだあるが働く場所選びはとても大切
さて、今回は「介護職は将来性があるのか」という問題に、「職種としてのニーズ」と「給与面」から考えてきました。
最後にまとめておきましょう。
まとめ
- 2065年まで高齢化率は進んでいくため、職業ニーズはまだまだある
- これから先も人手不足は続いてくため、処遇改善が今後も見直されて給与面の将来性もある
- 今のところ、将来性の「あり」「なし」は働く施設選びにかかっている
まだまだ将来性はあるものの、働く場所選びは重要になってきます。
私の施設は職員数がまわりの施設の倍近くいますが、多くが転職エージェントを活用して入職されています。
私自身、実は転職エージェントを活用しました。
やはり、転職エージェントは施設に対する情報量が多いですからね。
活用して良かったと思っています。
これから介護職をしようと思っている人も、この記事を読んで
「あれ?もしかして自分が働いている施設って将来性ないかも…」
と感じた人は転職エージェントを活用して良い将来を掴んでくださいね。