
「それぞれの加算の金額はいくら?」
今回は、このような疑問にお答えする内容として「2019年介護職員処遇改善加算の金額とは?厚生労働省の資料も紹介」というテーマで「介護職員処遇改善加算」についてのお話をしていきます。
こんな方におすすめ
- 介護職員処遇改善加算の金額について知りたい人
- 介護職員処遇改善加算って何?ということを知りたい人
- 介護職員処遇改善加算の情報はどこで見れるの?という疑問を持っている人
それではみていきましょう。
2019年の介護職員処遇改善の金額
2019年の介護処遇改善加算の金額は次のようになっています。
介護職員処遇改善加算の金額
- 加算(Ⅰ):月額37,000円相当
- 加算(Ⅱ):月額27,000円相当
- 加算(Ⅲ):月額15,000円相当
- 加算(Ⅳ):月額13,500円相当
- 加算(Ⅴ):月額12,000円相当
介護職員処遇改善加算は、介護報酬が改定されるタイミングで変更になります。
介護報酬の改定は3年に1回実施されます。
前回の改定は2017(平成29)年でしたので、次回は2020(令和2)年の予定になっています。
注意ポイント
- 2019(令和元)年10月より、「介護職員等特定処遇改善加算」という加算が新設されます。
- この記事で紹介している「介護職員処遇改善加算」とは別に新たに加算されるものです。
厚生労働省のホームページに掲載されている図を掲載しておきますので参考にしてください。
介護職員処遇改善加算とは?
そもそも「介護職員処遇改善加算ってなに?」という人のために、加算の仕組みについて解説をしていきます。
「介護職員処遇改善加算」とは、介護職員の給与を改善するために設けられた加算です。
つまり、制度として介護職員の給与が上がる仕組みということですね。
通常、昇給はその事業所の判断に任されます。
しかし、介護職員処遇改善加算のような制度としての加算を設けることで、国から事業所に対して「加算つけてあげるから、その分職員の給与改善に努めなさいね」と言っているということです。
ここで注意してほしいことがあります。
介護職員処遇改善加算は、個人に支払われているわけではなく事業所に支払われているということです。
注意ポイント
介護職員処遇改善加算は事業所に対して「職員の給与を上げる財源にしてね」と支払われるもの
実際に職員の給与がいくら増えるかは、実は事業所の采配になってしまうということです。
事業所が職員に対して実施する「評価」によって差が出てくるところです。
そして、介護職員処遇改善加算を取得するにあたっては、賃金改善等の内容についてすべての介護職員に対して周知しておくことになっています。
あなたの事業所が介護職員処遇改善加算を取得していれば、何かしらの方法で周知されているはずです。
介護職員処遇改善加算の要件
先ほどの図を見ていただくと、加算の下に「キャリアパス要件」という言葉と「職場環境等要件」という言葉が出てきます。
ポイント
- キャリアパス要件
- 職場環境等要件
この2つの要件を満たすか、いずれかを満たすことで処遇改善加算を取得することができるようになります。
では、「キャリアパス要件」と「職場環境等要件」の2つについて説明をしていきます。
キャリアパス要件とは?
キャリアパス要件には(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)と3つの要件が設けられています。
キャリアパス要件
- (Ⅰ):職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
- (Ⅱ):資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
- (Ⅲ):経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期的に昇給を判定する仕組みを設けること
キャリアパス要件(Ⅲ)による昇給の仕組みの例
- 「勤続年収」や「経験年数」などに応じて昇給する仕組み
- 「介護福祉士」や「実務者研修修了者」などの取得に応じて昇給する仕組み
- 「実技試験」や「人事評価」などの結果に基づき昇給する仕組み
職場環境等要件とは?
職場環境等要件は次のようになっています。
職場環境等要件
賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施すること
以上の要件について、「どの要件を満たしているか」で取得できる加算に違いが出てきます。
介護職員処遇改善加算について厚生労働省に掲載されている資料
介護職員処遇改善加算については、厚生労働省のホームページに資料が掲載されていますので紹介しておきます。
今回引用させていただいた資料が掲載されています。
介護職員処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について
厚生労働省から各都道府県に通知された内容が掲載されています。(平成30年3月22日付)
平成30年10月15日に開催された第162回社会保障審議会介護給付費分科会で使用された資料です。
処遇改善加算の他に、介護職員の現状といった情報が詰まった内容になっていますので必見です。
介護報酬に関する審議は「社会保障審議会の介護給付費分科会」で話し合われています。
そして、介護給付費分科会で使用された資料は厚生労働省のホームーページから閲覧できるようになっていますので、常にチェックしておくようにしましょね。
まとめ
今回は「2019年介護職員処遇改善加算の金額とは?厚生労働省の資料も紹介」ということで「介護職員処遇改善加算」についての話をしてきました。
お金に関する大切なお話なのでまとめとしてもう1度記載しておきます。
まとめ
2019年の介護職員処遇改善の金額は次の5つになっている
- 加算(Ⅰ):月額37,000円相当
- 加算(Ⅱ):月額27,000円相当
- 加算(Ⅲ):月額15,000円相当
- 加算(Ⅳ):月額13,500円相当
- 加算(Ⅴ):月額12,000円相当
介護職員処遇改善加算とは?
- 介護職員の給与を改善するために設けられた加算で、事業所に支払われるもの
介護職員処遇改善加算の要件とは?
- 「キャリアパス要件」と「職場環境等要件」の両方もしくはどちらか(加算Ⅴに限りどちらもなし)を満たすこと
キャリアパス要件は次の3つ
- (Ⅰ):職位・職責・職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
- (Ⅱ):資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
- (Ⅲ):経験若しくは資格等に応じて昇給する仕組み又は一定の基準に基づき定期的に昇給を判定する仕組みを設けること
職場環境等要件は次の1つ
- 賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施すること
2019(令和元)年10月からは「介護職員等特定処遇改善加算」もスタートしますから、今後も介護職員の給与はアップしていくことが見込まれます。
今後も介護職員の処遇改善が進み、益々の給与改善を期待するばかりです。