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【新人介護職必見】入浴介助の目的を知って意味のあるケアをしよう

高齢者の入浴効果

 

介護には「三大介護」と呼ばれる言葉がありますね。

 

入浴」「排泄」「食事」を三大介護と呼びます。

 

今回は、三大介護の1つである「入浴介助」についてお話をしていきます。

 

新人職員のあなたも、もちろん毎日自宅等で入浴をしていると思います。

 

入浴」という行為を当然のようにしているかもしれませんが、

 

そもそもあなたはなぜ入浴するのでしょうか?

 

もちろん「清潔保持のため」と答える人もいると思います。

 

それも1つの正解です。

 

実は、入浴には清潔保持以外にも多くの目的が存在しています。

 

そこで今回は、「入浴介助の目的」についてお話をしていきます。

 

入浴の目的を知っておくことで「お風呂に入りたくない」というご利用者に対して色々な角度からアプローチしていくことが出来るようになりますよ。

 

ぜひ明日からのケアに役立ててくださいね。

 

この記事は、次のような人に向けた内容になっています。

 

こんな方におすすめ

  • 入浴介助の目的が知りたい人
  • 新人に入浴介助の目的を教えたい人
  • 利用者やご家族に入浴の意味を伝えたい人

 

 

 

それでは早速みていきましょう。

 

入浴介助の目的となる入浴の効果

入浴介助をするのは、入浴することがご利用者の体にとって良い効果があるからです。

 

ここでは、入浴することで得られる効果について5つ紹介していきます。

 

入浴することによって得られる効果は次の5つです。

 

入浴の効果

  • 温熱効果
  • 静水圧効果
  • 浮力効果
  • 交感神経を働かせる効果
  • 副交感神経を働かせる効果(リラックス効果)

 

入浴には「温熱効果」「静水圧効果」「浮力効果」「交感神経を働かせる効果」「副交感神経を働かせる効果(リラックス効果)」の5つがあります。

 

ご利用者やご家族から「なぜ入浴しないといけないの?」と聞かれたとしても、入浴の効果を知っておけば答えられますね。

 

それでは順番にご説明していきます。

 

【1】温熱効果

入浴の1つ目の効果は「温熱効果」です。

 

入浴では当然ですが「温かいお湯」に入りますよね。

 

この「温かいお湯」に入ると「末梢血管」が拡張します。

 

末梢血管が拡がると、血液の循環が良くなります。

 

つまり、入浴には末梢血管が拡張されて血液の循環が良くなる効果があるということです。

 

 

【2】静水圧効果

入浴の2つ目の効果は「静水圧効果」です。

 

水中では人の身体に水圧という圧力がかかっています。

 

水中で体にかかる水圧のことを「静水圧」と呼びます。

 

余談ですが、水深が深くなれば深くなるほど体にかかる静水圧(水圧)は大きくなります。

 

入浴をして体に水圧がかかることで、新陳代謝を良くしてくれる効果が期待できます。

 

つまり、入浴には静水圧によって新陳代謝を良くしてくれる効果があるということです。

 

【3】浮力効果

入浴の3つ目の効果は「浮力効果」です。

 

みなさん、お風呂やプールといった水中で体浮くという経験をしたことがあると思います。

 

水中に入ったときの人の体は軽くなりますよね。

 

これが「浮力」です。

 

実は、水中で浮力が働いているときは筋肉や骨にかかる負荷も少なくなっているんです。

 

つまり、入浴には浮力により筋肉や骨の負荷を減らしてくれる効果があるということです。

 

【4】交感神経を働かせる効果

入浴の4つ目の効果は「交感神経を働かせる効果」です。

 

みなさんも、眠いときに「お風呂に入ってさっぱりした」なんて経験があると思います。

 

温度によっても違いはありますが、42℃程度の熱いお湯で入浴することで交感神経が働き、心臓や筋肉を働かせて体が活動的になるのです。

 

これがお風呂に入ってさっぱりする1つの理由です。

 

ここで注意が必要なのは、ご利用者に42℃程度の熱いお湯に長時間入っていただくのはおすすめできないということです。

 

理由は、熱いお湯に長い時間入浴していると心臓に負荷がかかり血圧を上昇させてしまうからです。

 

高齢者が長く入浴することを注意喚起したり施設等で湯温の管理を徹底したりしているのはこのためです。

 

ここでのお話をまとめておくと、40℃の熱めのお湯での入浴には交感神経を働かせて活動的にする効果があるということです。

 

【5】副交感神経を働かせる効果

入浴の5つ目の効果は「副交感神経を働かせる効果」です。

 

副交感神経が働くとリラックス効果が期待できます。

 

では、どのように入浴すれば副交感神経が働くのでしょうか。

 

副交感神経を働かせるためには、38℃〜40℃のぬるま湯で入浴しましょう。

 

つまり、38℃〜40℃のぬるま湯での入浴には副交感神経を働かせてリラックスする効果があるということです。

 

入浴の効果から考える入浴介助の目的とは

先ほどお話した入浴の5つの効果から、「入浴介助の目的」について考えていきましょう。

 

入浴介助をすることには、次の5つの目的があります。

 

入浴介助の目的

  • 清潔保持
  • 血行や新陳代謝を良くする
  • リラックスしてもらう
  • 睡眠をよくする
  • 食欲を増進する

 

入浴介助には「清潔保持」「血行や新陳代謝を良くする」「リラックスしてもらう」「睡眠をよくする」「食欲を増進させる」という5つの目的があります。

 

メインの目的としては「清潔保持」「血行や新陳代謝を良くする」「リラックスしてもらう」ということです。

 

そして、その3つの効果に加えて「睡眠をよくする」とか「食欲を増進させる」といったことも期待できるというイメージです。

 

ポイント

  • 入浴介助をすることで清潔でいられるようにする
  • 入浴介助をすることで血行や新陳代謝がよくなり、体調が良くなったり食欲が出たりする
  • 入浴介助をすることでリラックス効果を与えることができ、睡眠の質が良くなったり気分が落ち着いたりする

 

こういったことを目的に介護職は入浴介助を実践していくということです。

 

 

まとめ:入浴の効果こそが入浴介助をする目的だと心得ましょう

今回は、「入浴介助の目的」ということでお話をしてきました。

 

大切なことなので最後にまとめておきます。

 

まとめ

入浴介助の目的となる入浴の効果

  • 温熱効果
  • 静水圧効果
  • 浮力効果
  • 交感神経を働かせる効果
  • 副交感神経を働かせる効果(リラックス効果)

入浴の効果から考える入浴介助の5つの目的

  • 清潔保持
  • 血行や新陳代謝を良くする
  • リラックスしてもらう
  • 睡眠をよくする
  • 食欲を増進する

 

入浴介助をすることは、高齢者の生活においてとても大きな意味を持っています。

 

介助者は、ただ入浴を介助するのではなく、「なぜ入浴介助が必要なのか」ということを知っておくようにしましょう。

 

介護の仕事をしていく中で、「どうにかしてご利用者に入浴してもらわないと…」という場面に遭遇することもあります。

 

そのとき、入浴の目的を知っているかどうかがあなたの支援をより良いものにしてくれます。

 

この記事を参考にしていただき、明日からの入浴介助に役立ててくださいね。

 

次の記事「【新人介護職必見】入浴介助の注意点|安心で安全な入浴の基本」も合わせて読んでくださいね。

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